大学受験で英語の長文は、配点も高く確実に点数を稼ぎたいところ。
今回は、大学受験英語の長文問題に対する勉強法を伝授します。
【大学受験】英語長文問題に必要な力
英語の長文って苦手だな。英語だらけで何をかいてるか分からないし、時間内に終わらないし。
英語の長文は訓練が必要なんだ。正しい勉強法で勉強することで確実に点数をとることが出来るようになるよ。
そうなんだ!早くその勉強法を教えてー!
勉強法の前にそもそも英語の長文問題を解くためには、どんな力が必要だと思う?
大学受験で英語の長文問題は配点が高いため、英語の長文問題を多く正解できれば合格にかなり近づきます。
逆に長文問題で書いてある内容が分からなかったり、時間内に解けなかったりすると、大失点につながります。
それくらい英語の長文問題は、受験生にとって重要です。
このため受験に勝つためには、英語の長文問題を確実に解けるよう力をつけなければならないのです。
今回は大学受験での英語長文の勉強法や解き方を紹介します。
その前に、そもそも大学受験での英語の長文問題を解くための必要な力を紹介します。
その1:速く読む力
英語の長文問題で必ず必要となってくる力は、速く読む力だよ。いわゆる速読だね。
大学受験での英語の試験は、時間が限られています。
1文1文丁寧に和訳しながら読んでいては、時間内に問題を全て解くことは出来ません。センター試験でも、長文問題にじっくり時間をかけて読むことは出来ません。
このため大学受験の英語長文問題では、ざーっと読んで内容をしっかり把握する速度の力が必要です。
これは大学受験で英語長文がある場合、必ず身につけておきたい力です。
英文を速く読む力は英語がとても得意な人は最初から出来るかもしれませんが、多くの人は練習しなければ出来ません。
とは言え、速読は練習をすることで確実に出来るようになります。
英語が大の苦手だった私も高校3年生の秋頃から特訓し、結構なスピードで読めるようになりました。
その2:単語推測能力
分からない英単語は意味を推測しながら読まなければならないよ。難関私立大学を受験する場合は、特に必要な力だね。
英語の長文問題では、分からない単語が必ず出てきます。難関私立大学の英語の試験では、あえて難しい単語が長文に入っています。
英単語をいくら覚えても全ての英単語を完璧に覚えることは、正直難しいです。
このため英語の長文問題では、分からない英単語は前後の文脈から意味を推測しながら読まなければならないのです。
私はこの分からない単語を推測して読むことが苦手でした。
分からない単語の意味を考えて無駄に時間を取られてしまったり、分からないというだけで焦ってしまい話の流れが分からなくなってしまったり。
高校3年生の夏休みの模試でも、分からない単語があり悩んでいる間にあっという間に時間が過ぎ、最後まで長文問題を解けませんでした。
しかし高校3年生の夏休みからでも、しっかり英語の基礎を固め冷静に英文を読む力をつけることで、分からない単語が出てきても慌てず正しく推測出来るようになります。
その3:重要な文を見極める力
これは英語だけでなく国語でも必要なスキル。長い文章の中で、ストーリーの要になっている重要な文や、問題の解答になる文を見極める力です。
国語でも英語でも長い文章の中で重要な文を早く正確に見つけ、ストーリーの意味を理解することは受験生にとって重要な力です。
とは言え英語の長文問題は、1文ずつ和訳しゆっくり読んでいる時間なんてありません。
英語の長文問題では英文を素早く読み内容を理解し、さらに重要な文を見つけなければならないのです。もう大忙しですね。
でも、安心してください。
実は英語の場合、重要な文がある箇所には目印があります。その目印をしっかり覚え、英語の基礎を固めることで重要な文を確実に見極め正しく理解出来るようになりますよ。
【大学受験】英語長文の勉強法
大学受験での英語の長文に必要な力について少し分かったけど、それを身につけるための勉強法を早く教えてよ!
そうだね。英語の長文は、日々の積み重ねが大事だから頑張ろう。
お待たせいたしました。大学受験での英語の長文の勉強法を紹介します。
勉強法1:英単語・英文法・構文
まずは、英語の基礎をしっかり身につけよう。
やはり英語の基礎である英単語や英文法、構文を知らなければ、英語の長文を読むことは不可能です。
もちろん英語の長文では、知っている単語が多ければ多いほど英文を正しく理解できます。
とは言え、英単語をいくら知っていても英文法を知らなければ正しく読むことはできません。
英語は少し語順が変わるだけで意味がガラリと変わってしまうこともあります。このため英文法や構文もしっかり勉強しておかなければ、英文を正しく読むことは出来ません。
ただ英単語や英文法、構文は短期集中で一気に覚えられるものではありません。単語なら単語帳で、英文法なら文法本で毎日コツコツ勉強し定着していくものです。
このため英単語や英文法、構文は計画的に毎日コツコツ勉強しましょう。
ちなみに英文法や構文の勉強法や参考書についてはこちらで紹介しているので、参考にしてください。
勉強法2:英文を全て和訳
長文問題を解くためには1文1文和訳している時間はないと言いましたが、最初は1文1文和訳し英文を正しく読めるようになりましょう。
英語の長文問題はざっと読んで内容を理解しなければならないと説明しましたが、まずは英文を1文1文しっかり和訳出来るようになることから始めます。
英文を見て時間をかけてでも正しく和訳出来なければ、速読なんて不可能です。
1文1文和訳するのは、正直時間がかかります。しかし1文ずつ丁寧に和訳することで、とても英語の力がつきます。
和訳する英文は、学校の教科書でも、模試の長文問題でも何でも大丈夫です。
教科書を和訳するなら、教科書のガイドに和訳が載っているので正しく和訳出来ているか確認するため購入をおすすめします。
ちなみに私は、学校の教科書と速読英単語を1文ずつ完全和訳しました。
教科書は授業の予習で1文1文和訳し、授業で和訳した内容が合っているかを確認していました。
速読英単語とは、速読と単語帳が一体となった本です。私は大学受験中、肌に離さず持ち歩いていたくらい愛用していました。
速読英単語は英文中に覚えるべき英単語が載っています。英文の次のページには和訳もあり、長文や速読の勉強をしながら英単語も覚えられる優れものです。
ちなみに私は速読英単語を、通学の電車の中でやっていました。ちょっとした時間で勉強できとても手軽なため、おすすめですよ。
もし1文ずつ和訳をやってみたものの全く出来ない場合、先ほど紹介した英単語や英文法、構文の知識が足りない可能性があります。
その場合は無理して和訳をせず、先に英単語や英文法、構文を勉強してくださいね。
もし英単語も英文法も構文も勉強してもよくわからない、なるべく早く英語の力をつけたい、そんな方はこちらの記事を参考に英語の勉強をしてみてください。
勉強法3:速読の練習
ある程度英文を1文ずつ和訳出来るようになれば、速読の練習をはじめよう。
1文ずつゆっくりでも良いので和訳出来るようになったら、速読の練習をはじめます。
速読の練習には、まずは[勉強法2:英文を全て和訳]で使った英文を使うことをおすすめします。
あれだけ一生懸命和訳したのに、意外と覚えていないため復習にもなり良いですよ。
速読の勉強方法は、キッチンタイマーなどで時間をはかり、時間内に一気に英文を読みます。
時間は3分~5分程度。
ちなみに目標のスピードも紹介しますね。受験までに、1分間でこれだけ読めるようになっていることを目標にしましょう。
- センター試験レベル…1分間に100語
- 難関大学レベル…1分間に120語
- 超難関大学レベル…1分間に150語
時間がきたら、どこまで読めたか印をつけておいてください。そして読んで分からなかったところ、気になるところをしっかり確認してください。
これを毎日、もしくは数日に1回定期的に繰り返してください。
徐々に時間内に読めるスピードが上がっていきます。
速読の練習で使っている英文が1週読み終わったら、2周目に入ってください。最低でも3周はやりましょうね。
そして、1周目とのスピードの差を比較してみてくださいね。1周目よりもスピードが上がっていたら嬉しいですね。
2週目以降スピードが変わっていなかったり、落ちていたりしても諦めずに続けてください。繰り返しやったことは確実に力になっているので、自信をもってくださいね。
勉強法4:長文問題集をやる
英文を1文ずつ和訳出来るようになったら、長文問題集で実践練習開始だよ。
英文を1文ずつしっかり和訳出来るようになれば、長文問題集をはじめます。
まだまだ和訳が出来ない状態で焦って長文問題集をはじめないように注意してくださいね。書いてある内容もチンプンカンプンで無駄に時間だけが過ぎてしまいますよ。
長文の問題集は、この後紹介する「英語長文の解き方」を意識しながら問題を解いていってください。
そして長文問題を解くときは、必ず時間をはかるようにしてください。
問題集に目安の時間が書いてある場合はその時間を、書いてない場合は15分や30分など自分自身で決めて時間をはかって解いてください。
入試では限られた時間で問題を解くため、時間を意識して解く癖をつけましょうね。
時間をはかると言っても、時間内に解き終わらなかった問題もしっかり最後までやるようにしてくださいね。
最初のうちは、時間が気になって英文が全く分からない。と言うこともあるでしょう。そんな場合は、時間をはかった後ゆっくり問題を解いてくださいね。
そして解答の確認は入念にやってください。間違っても丸をつけて終わりなんてしてはだめですよ。
問題集を解いた後の丸付けでは次のことを必ず確認してください。
- 間違えた問題の確認
- なぜ間違えたのか確認
- 分からなかった英単語や英文の確認
- 自分の和訳と解答の和訳の確認
長文問題の解答をみて、しっかり復習をしてくださいね。これこそが英語力アップの近道ですからね。
【大学受験】英語長文の解き方
模試を受けたけど、どうしても英語の長文問題は最後まで解けないよ。
英語の長文問題は解き方があるんだ。それをマスターしないといけないよ!
大学受験での英語の長文問題は、いかに早く正確に英文を理解するかが重要となってきます。
そして英語の長文問題は、早く正確に読むための解き方があるのです。
解き方を変えるだけでも、点数が少し良くなりますよ。
解き方1:問題の設問を最初に読む
英語の長文問題は必ず設問から読むべし。
英語の長文問題はいきなり英文から読み進めてはいけません。
最初に設問を全て読みます。このとき、解答の選択肢も読んでくださいね。
これは大学受験だけではなく、TOEICなどの英語の試験でも同様です。
最初に設問を読むことで、じっくり読まなければいけない場所が事前に分かります。
例えば設問でストーリーの日時について書かれていれば、日時について書かれている箇所にアンダーラインなどの印をつけながら読みことも出来ます。
そして設問を解くときに、印をつけたところを見ることで無駄な時間ロスがなくなります。問題によっては、英文を読み進めながら解くことができます。
設問を最初に読んでいなければ、日時や場所など何に注力して読めばわかりませんよね。
最初に設問を読むことで、設問に関係あるところはじっくり読み、関係ないところはざっと読むことができるのです。
メリハリをつけて長文を読めるということですね。
このため、分からない文章があり丁寧に和訳したけれど設問には全く関係がなかった。なんてことも、事前に設問を読むことで防げます。
さらにこの設問を先に読むことのメリットに、ざっくり何について書かれているか読む前に分かることです。
設問にはだいたい内容を問うようなものがあるので設問と選択肢を読むことで大まかな内容が分かり、読む前に心の準備ができます。
解き方2:ディスコースマーカを意識しながら読む
長文の内容を素早く理解するには、ディスコースマーカーを正確に見つける必要があるのだよ。
ディスコースマーカーとは、話の展開を示す目印のことです。
もっと分かりやすく説明すると、ディスコースマーカーがあるところには、話の要点となる重要な文があるということ。
このため英文をざっと読んだときに、ディスコースマーカーがあれば印をつけて読み進めてください。
私はディスコースマーカーがあると、ディスコースマーカーを四角で囲っていました。
ディスコースマーカーがあるところには重要な文があると言いましたが、そもそもディスコースマーカーと言われても具体的にどういったものか分からないですよね。
そこで簡単ですが、ディスコースマーカーの一例を紹介します。
- 逆説(しかし)
→but、however、althoughなど
- 結果(だから)
→so、therefore、as a resultなど
- 列挙(最初に、さらに…)
→first、next、one…the otherなど
- 要約(つまり)
→in conclusion、in a wordなど
- 言い換え(すなわち)
→in other words、specificallyなど
- 根拠(なぜなら)
→because、on account ofなど
- 例示(例えば)
→for example、such as…
この他にもたくさんありますが、例に示したようにディスコースマーカーは話を切り替えたり、具体的に説明したりするときに使うフレーズです。
ざっと読んでも分からない長文は、ディスコースマーカーのある文だけ和訳するだけでもストーリーの要点は掴めます。
入試で時間内に解けない、となったら最悪ディスコースマーカーある文を訳せば内容はざっくり理解できますよ。
英文を読むときや長文問題集をやるときは、ディスコースマーカーに印をつけながら読む癖をつけてみてください。
解き方3:スラッシュリーディングを活用する
意味や文の区切りごとにスラッシュ(/)をつけて読んでいく方法だよ。上手に使いこなせると、読むスピードが各段にアップするよ
時間が限られている英語の長文問題を素早く正確に読むには、スラッシュリーディングがおすすめです。
学校や塾の授業で一度は見たことがあるのではないでしょうか。
- He is Taro.(彼は太郎です。)
- He / is / Taro.(彼は/太郎/です。)
このようにスラッシュをつけることで主語や動詞などが明確になり、パッとみて文の構成が分かりやすくなりますよね。
私立大学の英語の長文問題は、1文に色々な要素が入っていてざっと流し読みすることが大変なのです。
本当に英語が苦手だった私は複雑な英文は、どれが主語?動詞?なんて悩んでしまい内容はあまり理解できず、時間内に問題を解けませんでした。
しかしこのスラッシュリーディングを使いこなせるようになり、素早く正しく英文を読めるようになりました。
スラッシュリーディングのやり方は、色々あると思いますが私のやり方を簡単に紹介します。
- 主語・動詞など細かく区切るより、文の固まりごとに区切りを入れる
- 重要な文、複雑な文のみスラッシュリーディングをする
- 細かいことは気にせず、大まかにスラッシュを入れる
詳しくやり方を説明しますね。
文の固まりごとに区切る
私の場合、主語・動詞などあまりにも細かい単位でスラッシュを引かず、自分がパッとみて読める文の固まりごとにスラッシュをつけていました。
細かくスラッシュを付けてしまうと、長文がごちゃごちゃしケアレスミスにつながるのです。
私は長文を読むときに、ディスコースマーカーや事前に設問を読んで関係がある部分にも印を付けていました。
設問を解く時点でディスコースマーカーや付けた印が分からないと、無駄な時間を浪費し、ケアレスミスにつながるのです。
しかも細かくスラッシュを入れるだけで時間もかかってしまうため、自分がぱっとみて理解できる範囲の固まりごとにスラッシュを入れるようにしていました。
重要な文や複雑な文にのみ区切る
ぱっとみてすぐに理解できる簡単な文には、スラッシュを入れずに読んでいました。
スラッシュを入れる時間があれば、1文字でも多く読みたいですからね。
このため主語が分かりにくい、2つの文が組み合わさっている、など少し複雑な文を見つけたときにスラッシュリーディングをしていました。
そうすると読み間違いも防げ、1文に悩むことなく読めるようになります。
また先ほどのディスコースマーカーがある文も、読み間違いがあると長文問題での大失点につながるため、相当簡単な文でない限りスラッシュリーディングをしていました。
細かいことは気にしない
スラッシュリーディングを始めた頃は、toはスラッシュの前に入れるのか後に入れるのか、どこで区切るのが正解だろうか、なんて悩みながらスラッシュを入れていました。
悩みながらスラッシュを入れていては、あまり意味がありません。悩んでいる時間がもったいないです。
細かいことは気にせず、とにかく自分が分かりやすいようにスラッシュを入れる方がいいと思います。
とは言え、複雑な文章では、主語・動詞・述語はどこだろうとしっかり悩んでくださいね。間違ったところで区切ってしまっては、正しく読めませんからね。
どの単位で区切るのがベストかは、正直人それぞれだと思います。
私は細かく区切ると、スラッシュを入れることに夢中になり早く読むどころか内容すら頭に入って来ませんでした。
しかし私の友人には、細かい単位で区切って読む人もいます。
このため色々と試してみて、自分にあった位置でスラッシュを入れながら読んでみてくださいね。
まとめ
今回は大学受験での英語の長文の勉強法や問題の解き方を紹介しました。簡単に内容をまとめます。
- 英語の長文問題を解くために必要な力は、「早く読む力」「単語推測能力」「重要な文を見極める力」。
- 英語長文の勉強は、英単語や英文法、構文を毎日コツコツやり基礎を固める。
- 英語長文の勉強は、時間がかかってもよいので英文を1文1文和訳する。
- 英文を1文1文和訳出来るようになったら、速読の練習と長文問題集を始める。
- 英語の長文問題では、最初に設問を読んでから長文を読む。
- 英語の長文は、ディスコースマーカーのあるところには重要な文があるため、ディスコースマーカーを見逃さないように読む。
- 英語の長文は、文の固まりごとにスラッシュを引きながら読むスラッシュリーディングがおすすめ。
英語の長文問題を解けるようになるためには、地道なトレーニングが必要です。しかし毎日の積み重ねで、確実に解けるようになるので頑張りましょう。